株式会社中央設計技術研究所

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小規模な処理場にも対応。
環境の時代をとらえた
「いしかわモデル」を確立。
石川県中能登町
石川県中能登町 地域創水で、地方創生を。

Waste disposal / Environment

小規模な処理場にも対応。
環境の時代をとらえた
「いしかわモデル」を確立。

DATA
場所 石川県中能登町
年度 2014.7~
実施形態 バイオマスメタン発酵施設基本・
詳細設計
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PROJECT MEMBER
田川 忠晴
田川 忠晴
技術統括本部 環境技術部 次長

1994年4月入社。
富山大学工学部化学生物工学科卒。
第一技術部で下水道計画・設計業務、技術開発部では各種研究・システム開発(データ構築)に携わるなど、幅広い経験を経て環境技術部へ。現在は廃棄物処理施設に係る計画・設計・監理業務に従事している。

  • WHY なぜやるのか
    どのような課題が
    あるのか?

    • 隣接する七尾市と共同で実施していたし尿や浄化槽汚泥などの処理を、
      中能登町単独で担うことになった。処理施設の老朽化も著しく、
      施設を更新するにしてもかなりの予算が必要だった。
    • 水道事業に携わる市の職員数には限りがあり、優先順位の設定など
      管路更新事業に対応できるマンパワーが不足していた。
  • HOW どうやるのか
    どのようにしたいのか?

    • し尿や浄化槽汚泥、下水道汚泥に加え、生ごみや食品メーカーから出る
      残渣などを集約し、効率的・効果的に処理する「小規模下水処理場向け
      混合バイオマスメタン発酵システム」を開発。
    • このシステムを導入した処理施設を整備し、「いしかわモデル」を確立する。
  • WHAT なにをやるのか
    CSEが提供した手段とは?

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WHY
どのような課題があるのか?

廃棄物処理にかかるコストが
地方自治体の大きな負担に

「環境の世紀」と言われるようになって久しい。地域や企業にとって、もはや循環型社会を意識した取り組みは欠かせない視点と言えるだろう。一方で、総務省によると都道府県を含めた地方公共団体がごみ収集や処理にかけるコストは2兆4886億円(2020年度)にも上り、その負担は自治体が抱える大きな課題となっている。
石川県中能登町も廃棄物の処理に頭を抱えていた。しかも、悩みの種はいくつもあった。一つは、し尿や浄化槽汚泥などの処理についてだ。中能登町はかつて、隣接する七尾市とともに七尾鹿島広域圏事務組合をつくり、共同で処理を進めてきた。しかし、2012年度末で同組合の解散が決まり、町単独で事業を担う必要性が生じたのである。加えて、処理施設の老朽化は著しく、更新するにはかなりの予算がかかることが想定された。また、下水道を処理した後に生じる汚泥の処分に多額の費用がかかっていることも、町にとっては重荷となっていた。
何かいい対応策はないだろうか――。CSEは長年にわたって中能登町のコンサルティングを請け負っている。その関係からかかりつけ医である当社にいち早く相談いただいたことが、今回のプロジェクトの出発点となった。

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HOW
どのようにしたいのか?

市町単独でも導入できる
新システム開発に挑戦

廃棄物も、視点を変えれば“資源”となる。中能登町からの相談を受け、2011年度にCSEがソリューションとして提案したのが、「小規模下水処理場向け混合バイオマスメタン発酵システム」の導入である。
同システムは、処理に困っていたし尿や浄化槽汚泥、下水道汚泥に加え、生ごみや食品メーカーから排出される残渣など、複数のバイオマス(植物や動物のような生物由来の資源)を集約・混合して発酵させ、エネルギー源となるメタンガスを取り出す技術だ。発酵後の残渣も無駄にせず、乾燥させることで肥料として活用していく仕組みとなっている。
さらに、規模の限られる地方自治体でも導入できるよう、小規模下水処理場向けとしている点も、従来にはなかった大きな特色だ。

WHAT
CSEが提供した手段とは?

石川県や金沢大、県内メーカーと
連携した産官学で新技術を追究

新システムの開発に向けては、2012年度から2年間、石川県や金沢大学、国立研究開発法人土木研究所、県内機械メーカーなどとともに産学官連携で研究にあたった。実用化の壁となったのが、混合バイオマスを高濃度処理するためのノウハウである。市町でも導入しやすくするには、システムそのものの小規模化が不可欠。そのためには、混合バイオマスを圧縮して高濃度化する必要があったが、それを処理する事例や知見を一から積み上げていかなければならなかった。
とりわけ開発に時間を費やしたのが、高濃度の汚泥を攪拌して均一化する技術だ。効率よくメタンガスを発酵させるには重要なプロセスであり、プロジェクトでは羽根の形状や枚数を変えた攪拌装置のモデル機を複数製作。何度もシミュレーションを実施し、改良を重ねた。
そして、産学官連携で確立したシステム技術をもとに、CSEは2014年度に施設設計、15・16年度に施工・監理を担当。混合バイオマスメタン発酵システムは17年度から稼働を開始しており、性能機能評価も受け持った。「今回のプロジェクトは、当社にとっても大きなチャレンジでした。現在のところ、トラブルもなく、安定して処理できており、中能登町からも高評価をいただいています」。一貫して携わった田川忠晴環境技術部次長は、こう振り返り、胸をなでおろす。とともに、中能登町で確立した“いしかわモデル”の普及に力を傾けていく考えで、石川の地から持続可能な地域の未来図を描いていく。

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INFORMATION

COMPANY

CSEは、創業75周年の節目を迎え、
世界を舞台にした、ソリューション提供会社として
“水で地域をデザイン”しています。
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BUSINESS

投資効果や地域特性を踏まえた水道事業から、
水道・下水道業務のさらなる効率化と
高度化を考えたシステムを開発しています。
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